禁煙ムードが高まり、喫煙者はますます肩身の狭い思いですね。
そんな中、注目を集めているのが電子タバコや加熱式タバコです。
名前は知っていても、特徴や違いについて理解している人は少ないのではないでしょうか。
電子タバコと加熱式タバコには、価格や吸い方、匂い、ニコチン、コスパなど、様々な点で違いがあります。
それらの違いを理解しておかなくては、せっかく買い求めても、あなたに合わずに無駄になってしまう可能性があります。
買ってから後悔しないように、ここでは、電子タバコと加熱式タバコの違いや特徴、体への害、コストなど詳しくご紹介致します。
目次
1.電子タバコと加熱式タバコの4つの違い

電子タバコと加熱式たばこの違いをご存知ですか?
一見違いがないようにも思われる電子タバコと加熱式タバコですが、実は明白な違いが存在しています。
ここでは、電子タバコ加熱式タバコの違いや特徴を、4つの項目で紹介します。
あなたに合うタバコはどちらか、参考にしてください。
- 「リキッド」か「たばこ葉」かの違い
- 「ニコチンなし」か「ニコチンあり」かの違い
- 「煙が多め」か「煙が少なめ」かの違い
- 「匂いが多め」か「匂いが少なめ」かの違い
【違い1】「リキッド」か「たばこ葉」かの違い

電子タバコは、リキッド(液体)を熱して水蒸気を吸うものであるのに対し、加熱式タバコはタバコ葉を加熱して水蒸気を吸うところに、大きな違いがあります。
電子タバコはリキッドを気化して吸いこむもの。
加熱式タバコはタバコ葉を加熱して蒸気を吸い込むもの。
電子タバコのリキッドとは?
リキッドの材料は多くの場合、ニコチンと植物性グリセリン(VG)が主な主成分です。
植物性グリセリンは、植物油から加工され多くの食品に使用されていますので、特に害があるものではありません。
同時に、リキッドタイプは燃やしていないのでリキッドに含まれる香りをそのまま感じられます。
メンソール、ミント、タバコなど様々な香りがあり、フレーバーを変えることで好みの香りが楽しめます。
加熱式タバコのたばこ葉とは?
一方の加熱式タバコは、タバコ葉を加熱し、ニコチンを含むエアロゾルを生成させ燃焼製品に似せて作られています。
そのため、煙にもニコチンが含まれ、加熱式タバコの煙には、紙巻タバコと同様に、さまざまな有害物質が含まれています。
ですが、直接燃焼させる紙タバコよりは害は少ないことは間違いありません。(アイコスによる発表)
【違い2】「ニコチンなし」か「ニコチンあり」かの違い

次に、電子タバコと加熱式たばこの大きな違いの一つとして、ニコチンありかニコチンなしかの違いがあります。
電子タバコはお好みのリキッドを加熱して水蒸気を吸うものなので、ニコチンは含みません。
対して、加熱式タバコはタバコ葉を加熱するためニコチンを含みます。
日本では、ニコチン入りのリキッドを製造・販売することは薬事法によって禁止されているため、ニコチン入りリキッドは海外からの個人輸入となります。
【違い3】「煙が多め」か「煙が少なめ」かの違い

タバコを吸わない人にとって、敬遠されるのが一番に煙ではないでしょうか。
煙の量は、電子タバコは多めですが、加熱式タバコは少なめです。
電子タバコの中には煙が大量に出る“爆煙”のものがあり、煙の多めが好きな方には電子タバコがお勧めです。
反対に、加熱式タバコは煙は少なめですので、あまり煙を出したくない人にお勧めです。
また、加熱式タバコは目に見える副流煙は出ませんが、呼吸煙(口から吐いた煙)は発生します。
【違い4】「匂いが強め」か「匂いが控えめ」かの違い
電子タバコと加熱式タバコの違いとして、匂いが強めか控えめかという違いもあります。
電子タバコは、リキッドを加熱して香りを楽しむことができることから、匂いは強めです。
その匂いといってもタバコのニオイではなくフルーツやメンソールなどお好みのニオイです。
対して、加熱式タバコはタバコ葉を加熱していますが、ヤニ臭さの原因となるタールの含有量を抑えていることから、匂いは少なめです。
外の喫煙場所での喫煙でも歩行者には意外と匂うものなので、少しでも匂いの少ないほうを選びたいですね。
2.電子タバコと加熱式タバコの特徴は?

違いが分かったところで、次は電子タバコと加熱式タバコの特徴を、それぞれ見ていきましょう。
電子タバコの特徴
- ニコチンなし、タールなし
- リキッドを気化させて蒸気を吸い込む
- フレーバーがたくさんある
- リキッド、カートリッジ、使い捨てなど種類がある
- ペンタイプ、ボックスタイプ、スティックタイプなど形も様々ある
- 煙(水蒸気)が多い
電子タバコの大きな特徴として、ニコチン・タールが含まれていない事が挙げられます。
タールが含まれていると壁の黄ばみなど、落としにくい汚れの原因になります。
バニラ・ベリー・ミント・フルーツミックス・メンソール・タバコフレーバーと数多くのフレーバーがあり、香りを楽しむことができます。
加熱式タイプの特徴
- ニコチンあり、タール大幅カット
- タバコを加熱して蒸気を吸い込む
- 煙が少なめ
- 紙タバコよりはタバコの匂いが少ない
加熱式タバコの大きな特徴として、大幅にカットされていますが、ニコチン・タールを含んでいるため、より紙タバコに近い吸いごたえがあります。
吸いごたえがあるということは、タバコを長年吸っていた方や、禁煙を始めようとしている方にとってはとっつきやすいと言えます。
3.電子タバコと加熱式タバコ、コスパがいいのはどっち?

電子タバコと加熱式タバコにはコスパの違いもあります。
まず、紙タバコは銘柄によって価格が異なりますが、私の場合マールボロなので470円です。
それを1日1箱吸うと仮定して、1か月・1年ではどれ位のコストがかかるのか、紙タバコ、電子タバコ、加熱式タバコで比較してみます。
それぞれの単価でチェック!
紙タバコ | 1箱20本入り470円(マールボロ) |
電子タバコ | リキッド10㎖で1300円 (リキッドにより異なります) |
加熱式タバコ | 1箱20本入りで460円 (アイコスのヒートスティック) |
それぞれの単価を見てみると、なんとなく加熱式タバコが安いような感じがしますよね。
実際のところはどうなのか、次の項目で、1か月・1年単位で確認していきましょう。
1か月・1年単位で価格をチェック!
1か月 | 1年 | |
紙タバコ | 14,100円 | 169,200円 |
電子タバコ | 7,800円 | 93,600円 (0.1㎖で紙タバコ1本分) |
加熱式タバコ | 13,800円 | 165,600円 |
この計算ですと、紙タバコと加熱式タバコのコストは、ほぼ変わりません。
そのため、コストを考えると、電子タバコが最適といえます。
電子タバコのリキッドは、大体0.1mlでタバコ1本分が目安ですので、10㎖のリキッドを購入した場合、タバコ100本分に相当に値します。
加熱式タバコはネオスティックやヒートスティックの価格が紙タバコとほぼ変わりませんので、コストはどうしても高くなってしまいます。
もちろん、吸い方にはそれぞれ個人差があり、コストにも違いが出ますので、価格はあくまでも目安程度にご覧ください。
ただ、誤差があるにせよ、電子タバコのほうが加熱式タバコよりもコスパがいいことは間違いありません。
4.電子タバコと加熱式タバコ、身体に害が少ないのはどっち?

どうせ紙タバコから電子タバコや加熱式タバコに変えるのであれば、害が少ない方を選びたいですね。
そこで、電子タバコと加熱式タバコ、それぞれの研究結果で比較してみました。
電子タバコは害が少ないって本当?
電子タバコは、ニコチン・タールを含んでいないことから害がないと思われがちですが、次のような研究結果も出ています。
マサチューセッツ内科外科学会が発行している世界的に有名な医学雑誌に、”電子タバコから癌の原因の一つである「ホルムアデヒド」が、紙タバコの5倍検出された”、という結果が出されたことがありました。
紙タバコよりも害が多いのでは、電子タバコや加熱式タバコに変えても意味がありませんね。
ですが、この研究結果というのは、たくさんある電子タバコの中のたった1台しか対称にしていませんでした。
多くの研究者が衝撃の研究結果に異を唱え、再実験を試みた結果、かなり限定された条件下の使用であることなどから、完全な報告内容ではないことが判明しました。
最大出力での空焚きに注意!
ただ、全く害がないわけではありません。
電子タバコを早く吸おうとして起動時に最大出力にしてしまうことで、リキッドが浸透する前にタンクが過熱してしまい空焚き状態になってしまいます。
そうなるとホルムアルデヒドが発生しやすくなりますので、注意が必要です。
とはいえ、最大出力にすることでリキッドのフレーバーが損なわれて焦げ臭くなりますので、そのような使い方をすることは少ないでしょう。
電子タバコは少ない原材料を気化させていますので、燃焼させる紙タバコと比較すると安全性は多少高くなると言えます。
加熱式タバコは電子タバコよりも害がある?
一方、加熱式タバコは、ニコチンを含む水蒸気を吸うことで少なからず害があると考えられます。
加熱式タバコの代表的な存在ともいえるアイコスは、「有機物質9割減」と謳っていますが、自社研究によるもので、第三者機関による研究結果ではありません。
喫煙時に煙が少ないことや、有害物質が低減していることから人気を集めている加熱式タバコですが、日本医学会連合の見解では、以下のようなことも言われています。
”加熱式タバコから発生するエアロゾルには紙巻タバコに比べ有害性 が低減されているとして,タバコ産業側は喫煙継続を前提にハームリダクションを唱えるが,発がん物 質および依存性を引き起こすニコチンを吸入するものである.また,紙巻タバコとの二重使用や非喫煙 者のゲートウエイ,禁煙効果等については結論は出ておらず,引き続き第三者機関の評価とモニタリン グの継続が必須である.”
加熱式タバコは、紙巻タバコに比べて有害性が減っているものの、ニコチンは少量であっても健康に害である、ということが指摘されています。
つまり、加熱式タバコも全く害がないとは言い切れないのです。
加熱式タバコにはニコチン量の記載がない?!
加熱式タバコにはニコチンが含まれているにも関わらず、ニコチン量の記載がありません。
その理由として、紙タバコは煙で計測できますが、加熱式タバコは水蒸気であるため計測できないということが考えられます。
目安程度ですが、電子タバコを吸ったときに物足りなさを感じたなら、ニコチンが少なめだということになります。
5.電子タバコと加熱式タバコ、自分に合っているのはどっち?

ここまで電子タバコと加熱式タバコの違いを紹介してきました。
違いを見ても、自分に合っているのがどちらか迷ってしまうかもしれません。
そんな時は参考程度に以下のまとめをご覧ください。
電子タバコはこんな人にお勧めです
- 色んな味(香り)を楽しみたい
- コスパがいい方がいい
- タバコ独特の匂いがない方がいい
- 出来れば禁煙につなげたい(ニコチンなしがいい)
- 吸い殻がない方がいい
- 煙も楽しみたい
タバコの匂いではなく様々な香りを楽しみつつ、煙(蒸気)も同時に楽しめるものがいいという方には、電子タバコが適しています。
先ほどご説明しましたように、加熱式タバコよりもコスパがよく吸い殻もでないため、喫煙エリアや自宅でも手軽に吸うことができます。
ですが、ニコチン入りのリキッドは日本では製造・販売が禁止されていることから、ニコチン入りのものが良いという方には不向きと言えます。
電子タバコは節煙を目的とする方にお勧めです。
加熱式タバコはこんな人にお勧めです
- 吸いごたえが欲しい(ニコチンあり)
- 匂いが少ない方がいい
- 煙が少ない方がいい
- 紙タバコと同じ銘柄がいい
- 禁煙をしようとは思っていない
電子タバコとは反対に、煙や良い香りを楽しむのではなく、タバコそのものの味がほしいという方には、加熱式タバコが適しています。
銘柄によっては、加熱式タバコでも紙タバコと同じ銘柄の取り扱いがありますが、少量でもニコチンが含まれていますので、禁煙目的で加熱式タバコに変えようとしている方には不向きと言えます。
まとめ
電子タバコと加熱式タバコの違いや、特徴をお分かりいただけましたでしょうか?
健康が気になる、または香りを楽しみたい方は電子タバコ、反対に、健康は気になるがタバコは吸いたいと言う人には加熱式タバコをお勧めしました。
ですが、電子タバコも加熱式タバコも、周りに害が100%ないとは言い切れません。
無用なトラブルを防ぐためにも、禁煙区域で吸わない、歩きたばこをしないなど、紙タバコと同じようにマナーと思いやりをもって吸うようにしたいですね。
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